2019年05月22日
低コスト耐震補強工法~再考
以前、低コスト耐震補強工法について書きました。下のリンクからご覧ください。
低コスト耐震補強工法について
この工法は従来の工法よりも補強工事費用をかなり安く抑えられると言うことで香川県としても普及に力を入れています。
ここで出てくる従来の工法とは何なのでしょうか?
答です。壁の補強工事なので原則、柱間の土台から梁までを一体となるように構造用合板を張りN50(5センチの釘)を15センチ間隔で打ちます。
土台から柱までとなるので当然、床や天井を撤去する事になるので工事費は大がかりになります。
1箇所あたり15~20万円かかります。

壁の強さは1箇所あたり約5kN/mです。
『耐震診断 』 引き続き受付中です!
耐震診断のお知らせ
対象地区 香川県全域
受付時間 午前9時 ~ 午後5時
対象 昭和25年以降、平成12年までに着工された木造在来工法2階建てまでの建物
対象外 2×4住宅、鉄骨造、コンクリート造、混構造、伝統工法(民家造り)、借家(高松市は別)
低コスト耐震補強工法について
この工法は従来の工法よりも補強工事費用をかなり安く抑えられると言うことで香川県としても普及に力を入れています。
ここで出てくる従来の工法とは何なのでしょうか?
答です。壁の補強工事なので原則、柱間の土台から梁までを一体となるように構造用合板を張りN50(5センチの釘)を15センチ間隔で打ちます。
土台から柱までとなるので当然、床や天井を撤去する事になるので工事費は大がかりになります。
1箇所あたり15~20万円かかります。

壁の強さは1箇所あたり約5kN/mです。
例えば補強箇所が10箇所それに養生費や設計監理費を加えると200万円は超えてきます。
対する低コスト工法は床と壁を壊さず(土壁がある場合は金物の部分だけ土を撤去しますが)そのまま構造用合板を張って施工できますから解体費用などを大幅に縮小する事が出来ます。
ただし、壁の強さは1箇所あたり3~4kN/mとなりますが、土壁がある場合は土壁の耐力をある程度加算する事が出来ます。
施工費は壁1箇所あたり6~7万円が中央値でしょうか?

従来工法よりも大幅なコストダウンですよね!
対する当社は従来工法は採用せずエイム社の製品を使用しています。この製品は低コストと同じように床と天井を撤去せずに施工出来ますが非常に堅牢な金物とフレームで構成されているため土壁があれば全て撤去する必要があります。施工費は壁1箇所あたり10~12万円となりますが壁の強さは1箇所あたり8kN/m前後と非常に強固な壁となります。これは何を意味するかと言えば新耐震基準を満たすのに必要な壁の改修箇所がより少なくて済む!と言うことなのです。

また、土壁を撤去しなくて済むから経済的との説には私は懐疑的な考えがあります。
何故かと言えば土台や柱の詳しい状況が分からない!と言うことです。
例えばシロアリに食べられている、土台のアンカーボルトが正しく施工されていないと柱と土台の金物を取り付けても意味を成さない=揺れの際に土台ごと浮き上がる!からです。
参考までに去年度施工した平屋建て住宅で弊社採用の工法と低コスト工法を比較してみました。

実際に施工した図です。黒い〇が壁の補強箇所です。
エイム社の製品ではたった4箇所の施工です。
対する低コスト工法は床と壁を壊さず(土壁がある場合は金物の部分だけ土を撤去しますが)そのまま構造用合板を張って施工できますから解体費用などを大幅に縮小する事が出来ます。
ただし、壁の強さは1箇所あたり3~4kN/mとなりますが、土壁がある場合は土壁の耐力をある程度加算する事が出来ます。
施工費は壁1箇所あたり6~7万円が中央値でしょうか?

従来工法よりも大幅なコストダウンですよね!
対する当社は従来工法は採用せずエイム社の製品を使用しています。この製品は低コストと同じように床と天井を撤去せずに施工出来ますが非常に堅牢な金物とフレームで構成されているため土壁があれば全て撤去する必要があります。施工費は壁1箇所あたり10~12万円となりますが壁の強さは1箇所あたり8kN/m前後と非常に強固な壁となります。これは何を意味するかと言えば新耐震基準を満たすのに必要な壁の改修箇所がより少なくて済む!と言うことなのです。

また、土壁を撤去しなくて済むから経済的との説には私は懐疑的な考えがあります。
何故かと言えば土台や柱の詳しい状況が分からない!と言うことです。
例えばシロアリに食べられている、土台のアンカーボルトが正しく施工されていないと柱と土台の金物を取り付けても意味を成さない=揺れの際に土台ごと浮き上がる!からです。
参考までに去年度施工した平屋建て住宅で弊社採用の工法と低コスト工法を比較してみました。

実際に施工した図です。黒い〇が壁の補強箇所です。
エイム社の製品ではたった4箇所の施工です。
補助金額(90万円)以内で余裕で完了しました。
実質負担額がほぼゼロで耐震改修が行えた事例です。
これを低コスト工法でシュミレートしました。

低コスト工法では8箇所になっています。
実質負担額がほぼゼロで耐震改修が行えた事例です。
これを低コスト工法でシュミレートしました。

低コスト工法では8箇所になっています。
押入の中も棚を撤去して施工しているので工事費は弊社工法と比べて20万円近く高くなります。
構造評点も僅かですが低く出ています。
構造評点も僅かですが低く出ています。
これでも比較的正形な平屋建て住宅なのでほぼ補助金の範囲内で施工が可能だとは思いますが、これが住宅の規模が大きくなったり、そもそも施工出来る既存の壁が少ない場合は採用出来ないですね。
と言う訳で前回の記事同様の結論となりましたが、弊社が低コスト工法を採用するのは、あくまで補助的(安全ラインにあと少しの場合)に採用する場合と、工事する住宅の養生とかの関係で埃を出来るだけ排出したくない場合のみ!となります。
従来工法と比較して低コスト!と言う触れ込みですが従来工法とは何なのか?正しく知って欲しいと思って記事にしました。
ご理解いただけたでしょうか?ご質問等あれば遠慮なくご連絡下さい!
と言う訳で前回の記事同様の結論となりましたが、弊社が低コスト工法を採用するのは、あくまで補助的(安全ラインにあと少しの場合)に採用する場合と、工事する住宅の養生とかの関係で埃を出来るだけ排出したくない場合のみ!となります。
従来工法と比較して低コスト!と言う触れ込みですが従来工法とは何なのか?正しく知って欲しいと思って記事にしました。
ご理解いただけたでしょうか?ご質問等あれば遠慮なくご連絡下さい!
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耐震診断のお知らせ
対象地区 香川県全域
受付時間 午前9時 ~ 午後5時
対象 昭和25年以降、平成12年までに着工された木造在来工法2階建てまでの建物
対象外 2×4住宅、鉄骨造、コンクリート造、混構造、伝統工法(民家造り)、借家(高松市は別)